過剰介助の恐ろしさ
皆さんこんにちは。今回は【過剰介助】についてお話しします。
これは特に介護施設で多く見受けられるケースだと私は感じています。
伝わりにくいので、一般の家庭で例えましょう。
今まで1人暮らしをしていた人がいます。
当然仕事に炊事、洗濯、掃除、買い物、金銭管理など生活に関わる全ての事を、1人で出来たのです。
そして運命の人と出会い家庭を持つと色々と分担します。でも、もしかしたら仕事専門
家の事専門になる家庭もあるでしょう。
その場合なんと不思議なことに仕事専門の方は帰宅してから一切料理をしなくなりました。手伝うこともしません。そして皿洗いもです。洗濯物も畳んであって当然。
そしてそれは仕事が休みの日でも当たり前のように過ごし自分だけ休みを満喫します。
主婦、主夫の方はお疲れ様です。
これを介助のケースに変えて見ましょう。
介護サービスには入浴もあります。その場合自分で着替えが出来る人、自分で服の替えを準備出来る人の動作を介助者が奪ってしまったらどうなるか。
つまり本来の自分の残存能力で着替え、服の替えが出来ていたのに他人が着替えさせてくれるし、服の替えもしてくれる。
そうすると最初は自分で頑張っていた人でも自分でやらなくなります。
何故か?それは簡単自分でしなくてもやってくれるんですから。
それが習慣化して今まで出来ていた事が出来なくなる。
更に出来ていたことが減り、出来ないことが増えたのです。
食事も自分で食べれられていたのに、介助で食べさせてくれるので口を開けるだけでよくなる。
自分で歩けるのに車椅子で乗っているだけで移動が出来るから歩く必要がなくなる。
こうなるとどうなるか?
着替えは無意識に自分で考えて身体全体を使うきっかけになるのでその全てを奪います。
食事は指先の運動、個人の好みなど運動だけでなく個性にも関わってきます。
車椅子での移動は下肢筋力の下肢筋力の低下、車椅子に乗ったら楽できると覚えてしまうから歩く事をしなくなります。
ならなぜ介護現場でそうなるか
介護現場が頑張りすぎているからだと私は思います。
必要以上の介護を行う事によりその人の残存能力を更に奪い出来ない事を増やしている事に気付いていないのです。
それが仕事だと思い一生懸命働いた結果、その人が出来ていたことを奪う事になってしまうケースもあるのです。
介護とは本当に難しいです。やり過ぎても、やらなさすぎても駄目なんです。
個人に1番あった介護を見極めるのはプロでも難しいと思います。